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『 伊藤有希の献身 』

この冬の平昌オリンピックで、最も心に残ったシーンは・・・

2月12日 その瞬間、その笑顔は 泣いているように見えました。

真っ赤なウエアの伊藤有希は、テレビカメラを横切って、高梨沙羅に真っ先に駆け寄り強く抱きしめました。「おめでとうーーー よかったねー 」祝福の声がマイクを通してもはっきりと聞こえました。不意を突く熱い抱擁に高梨も感極まり、喜びの涙を流しました。

スキージャンプ女子の伊藤有希は、高梨沙羅とともにメダルを狙える一人として大会を迎えていました。
初めて臨んだソチオリンピックは7位に終わり、4位でメダルを逃した高梨と大会後抱き合い「またここに戻ってこよう」と涙で誓い合いました。
昨シーズンはワールドカップで5勝を挙げ、個人総合2位と高梨に迫り、キャリア最高の成績をおさめました。
そして、このシーズンも苦しみながらも上位に食らいつき、総合5位でオリンピックを迎えていました。前回のオリンピックでは手にすることができなかったメダルを目標に、強い気持ちで。

しかし、結果は残酷でした。1本目、2本目とも飛距離が伸びず、最終成績はソチの7位を下回る9位でした。
今回、上位10選手の中で伊藤有希だけがジャンプに不利な追い風でした。しかも2本とも。風に恵まれなかった不運が一人だけ重なりました。
「4年間努力してきたのに、伊藤だけが追い風だったのは切ないです」
アウトドア競技とはいえあまりにも酷な結末、重なる不運を、鷲沢チーフコーチも嘆きました。
会場には、約50人の地元北海道下川町の応援団も来ていました。
「この4年間、本当にたくさんの人たちに支えてもらいました。その人たちの喜ぶ顔が見たかったのに、それができなくてすごく残念です」と声を張りましたが、さすがに我慢しようとしても涙があふれてきて嗚咽が漏れました。
それでも彼女は取り乱さず、不運を恨まず、悔しさを押し殺し、きっと心の中で泣きながら・・・
自分のジャンプの直後に待ち受けて、ともに歩んできたライバルを祝福しました。
きっと彼女は長い時間をかけて、競技力とともに、その人間性も磨いてきたのでしょう。
五輪前の取材に伊藤は、「私には沙羅ちゃんみたいに、どれだけ期待されても負けないメンタルはない。(葛西)監督みたいに神がかった運動神経もない。ただ、周りの人のパワーのおかげで能力が何倍にもなっている」と。だからこそ、支えてもらった人たちに五輪のメダルで恩返しがしたかったはず。試合後の悔し涙には、そんな思いが込められていたのでしょう。
「本当におめでとうと言って。4年前、沙羅ちゃんもすごい苦しい思いをして、この4年間を過ごしてきたと思うので、メダルを取れてすごく良かったと思います」と、高梨を抱きしめた理由を語り、自分も同じように苦しい思いをしていたことは口にしませんでした。

その伊藤有希、3月11日のオスロでのワールドカップでは3位に入り、今季3度目の表彰台に立ちました。平昌オリンピック直後は次の目標をすぐには口にできませんでしたが、この日は
「自分にはまだまだやることがたくさんある。それが足りなかったからメダルが取れなかった。4年後を目指したい気持ちはある」と言い切りました。
悔しさを飲み込み、新たなスタートを切りました。

謙虚,忍耐,そして尊敬。
オリンピックは勝者だけのものではなく、敗者にも多くの物語があります。
伊藤有希の、そして高梨沙羅選手の、今後の健闘を祈っております。


いとう外科内科クリニックは、ここ平川市に密着した医療を目指してまいりますので、今後とも御指導御鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 2018年7月



              いとう外科内科クリニック
                       伊藤博之